遠出してきたとき、ふと見つけたお店に入りたくなることはないだろうか。
先日(1か月くらい前)、富山県富山市の方へ向かう機会があった。要件も終わり、後は家に帰るだけになったのだが、素直に帰れなかった。夕暮れ時の寂しさが私を富山市に引き留めた。
歩いていく中で見つけたお店がこの松川茶屋だ。
平日だったので店内にはほぼお客さんがいなかった。和の雰囲気と合わさって厳かにも感じられた。店にはおばちゃんが一人。彼女に注文したのはわらび餅風白玉、500円だった。
注文を待っている間、川を見ていた。この川は松川というらしい。時の流れも川の流れも緩やかに感じられた。誰もいないのは寂しいけど、この空間を独り占めしたような、特別な気分。
テラス席に行く勇気は無かった。寒かったし。
テーブルの上にはガイドブックと盆栽にも似たなにかが置いてあった。遊覧船を中心とした観光スポットなのだろう。
程なくしてわらび餅風白玉が届いた。着いてそうそう食べだす。こういうがっつく癖ははやく直した方が良い。本当に余裕のない男だ。お腹がすいていたこともあるとは思う(言い訳)。
白玉は歯切れ・弾力が良く、軽い甘さとともにさっぱりとした印象を演出していた。なぜか対照的に小中学校のときの給食に出ていた白玉を思い出した。給食の白玉は良く粘っていたなぁ。懐かしい。こういう五感をもとに過去を想起することって結構あるよね。
かかった蜜はくどくない。きっとアイスクリームの脂肪分が濃厚だから。食べ始めてからデブるのではないかと心配したが、もう遅い。もう遅いのだ。
美味しかった。だが、あえて言うと(言いにくいのだが)、普通の味だ。まぁ景色楽しむための場所だろうしこんなもんだと思う。
店員さんはお茶サービスしてくれたし、悪くない店だと思う。
ここも季節が変われば景色も変わっていくんだろうか。またいつか、ここで景色を観れる日が来るだろうか。
なぜかノスタルジックに浸ってしまう場所だった。