正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

久々の将棋大会②

こんばんは。

 

前回の続きを書いていきたい。

dramadmara.hatenablog.com

この大会はくじ引きで予選の当たりが決まる。予選は4人1組のリーグ戦で1勝した者が抜ける。つまり、3/4が抜けられる予選ということである。対局形式は30分切れ負け。この切れ負けというルールが厄介で、時間をたくさん使ってしまう私としては最後まで指せるか心配だった。

 

くじ引きは参加費を払った直後に行うことになっている。参加費は2,000円。これだけあれば美味しいものが食べられるのに……と思ったが、ヤマンザくんから応援されたのだから、出るものは出るしかない。

 

くじ引きの結果は運営の管理するホワイトボードに張り出される。みんな一喜一憂しながら自分の相手が決まるのを眺めて待つというのがしきたりである。人によってはくじを引く順番を変える(他の人が引くのを待つ)ということをする人もいる。強豪のいるリーグに入りたくないがための行動である。ポケモンで言うところの乱数調整だろうか。

ところで高校数学でくじ引きはどのタイミングで引いても当たりが出る確率は同じと習った気がするが、あれは気のせいだったのだろうか。論理的思考に長けているはずの将棋指しがくじを引く順番を変えることで厳しいリーグに入ることを避けられると考えているのだから、高校で習った常識も疑わなければならないのかもしれない。

 

さて、私の入ったリーグは強そうな青年、強そうな少年、謎のお爺さんだった。そして初戦の相手は謎のお爺さんだった。当時の私としては、初戦を抜けるしかない!という気持ちだった。なにせ初戦で負けると強そうな青年か少年と指すことになってしまう。そうなれば予選を抜けられない可能性が高いからだ。

 

しかし謎のお爺さんも侮れない。見たことのないお爺さんで、何を指すのか全く分からない。

厳しい予選が始まった。

 

お爺さんとの対局はこちらの早石田に対し、中住まいに組まれるという異様な出だしだった。何がしたいのか分からない駒組だったが、こちらも手が作れず動きづらい将棋だった。図面がないのは申し訳ない。

 

相手に動いてもらった結果、駒得を果たし、差を広げ、最後は相手の攻めを全て切らして勝った。こういう勝ち方をして次の将棋への余力を残せるのが振り飛車、というか対抗形の良いところである。

それにしても、あちらの想定していない手を指した時に「良い手だねぇ」と口に出していたのが印象的なお爺さんだった。てかそれ三味線じゃね??

 

かくして予選を抜けた。ちなみに隣では青年と少年が鬼殺しの将棋を指していた。青年側が3手目に7七桂とノータイムで指していたのに驚いた。歴史的には一度滅んだ鬼殺しを実戦でしかも大会で採用するなんて、さすが現代将棋、魔境である。てか魔境すぎんか??鬼殺しを見せつけられてビビり散らかしたのは秘密だ。

 

予選を抜けたら再度くじを引く。これはトーナメントの当たりを決めるためのくじ引きとなる。先ほどの将棋指しの常識を無視し、適当に引いた。

 

予選は早々と抜けたので時間が余った。そしてさっさとくじを引いたのだからなかなか相手も決まらない。当初の目的(大会出場、予選突破)は達成したのであとは勝っても負けてもさっさとやるだけ。はやく終わらせて帰りたくなってきた。

 

そんな私にある青年が話しかけてきた。

「ぺにぺにさんの相手、まだ決まってないんすねw」

彼の名前はK。大学生なのか、大学院生なのか、はたまた社会人なのか分からない青年である。彼とは富山に戻ってきてからの付き合い、つまり7年くらいの付き合いだ。将棋は何でも指すオールラウンダーでめっぽう強い。あと、無自覚に発動する盤外戦術が鋭く相手に突き刺さる、期待の若手である。大会で当たると厳しい戦いを強いられることが予想された。

 

話をするなかで、彼が予選を抜けつつも、まだくじを引いていないことが分かった。それでも彼は気にせず会場の将棋を観戦し続けている。彼も将棋指し、後回しにできる手は後回しにするのである。

 

しばらくして私も会場内の将棋を見学していると、彼が再度話しかけてきた。

「ぺにぺにさんの相手、僕っすわ~w」

「は?」

 

将棋指しの常識、少しは気にした方が良かったかもしれない。もっとくじを引くのを待って当たりをずらせばよかった。当たりが最悪すぎる。高校数学に真理はない。

 

ともかく、最強クラスの若手と対局することになった。

 

書き疲れたので、また次回に続く。

 

例によってオチはない。