正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

「学歴が良いからって業績には関係ねぇよ」って人間は信用したらダメ

そんなこと当たり前。当たり前のことを大声で言う人間には注意した方が良いという話だね。

まぁそれは置いておいて。

 

当然学歴が良い=業績も良い というのが成り立つ業界は少ない。あるにはあるが、私にかかわりのない世界である。

 

ところで高い業績を残す人間は共通する行動様式があるのではないかという考え方がある。それを採用や企業の行動・評価基準に落とし込めば企業全体の業績アップにつながるのではないかということだ。

 

こういうのをコンピテンシーというらしい。このコンピテンシーって考えは陳腐化するんじゃないかというのが今回の記事の主旨。ちなみにまだ前置きは続く。

 

例として、私の見聞を挙げる。

私はある業界の人を対象にビッグファイブ分析をしてみたことがある。対象は勤めて3年以上経過した人で10名弱。ビッグファイブとは人のパーソナリティで、誠実性、協調性、情緒安定性、開放性、外向性という5つの要素からなる。それぞれの要素をスコアリングすることで、心理学の試験を行う前の事前調査に使われることが多い。ちなみにそのスコアが高いから良い、低いから悪いということにはならない。スコアの高低にも良し悪しがある。

 

大して人数がいないのでまともな結果は期待してなかったし、実際信用性は低い。だがある傾向がみられた。

 

結果としては、その業界の人は軒並み誠実性のスコアが低かった。誠実性とは要はマジメさだ。同じことを繰り返すことができるか、さぼらずにやり遂げられるか等が測れる。勤勉さにも言い換えられるだろう。そのため、一般に仕事の成功と相関が強いと言われている。学歴の高い人間はおおよそこのスコアが高い傾向がある。

 

実際、この業界では高学歴の人間だから活躍できる、ということはなく、その仕事の多くは真面目さだからと言って業績が良くなっているわけではない。このような環境では、仕事が出来る/出来ないという指標では高学歴者がそれまでの人生で培ってきた誠実性、並びに誠実性から発する行動様式は業績につながっていない。

 

一方、高かったのが協調性のスコアだ。実際仕事でも協調性を求められるシーンが多い。周りの協力を得られるよう振る舞うという行動様式がキーとなる局面が多い。これがその業界におけるコンピテンシーなのかもしれない。

 

そして、この有効な行動様式というのは業界ごとに異なるであろうことは想像に難くない。

 

前置き終わり。

 

で、コンピテンシーが陳腐化すると見る理由を2つ挙げる。

 

①再現性を担保にしている

高業績の人の行動様式が分かったところでそれって再現性があるのかな?というのが第一の疑問。これは他の社員が実際に真似できるか、という意味ではない。

仕事自体が変動していく時代ということだ。AIやロボットの進歩もそうだが、これから仕事のやり方自体が変わっていくことは間違いない。その時に過去に見つけたコンピテンシーはどこまで有効なのか。

 

 

これから大変革の時代だ!と言う人は多い。私はその変動の時代では成功する行動様式も変動しうるものだと考えている。

だからコンピテンシーの認識って常時アップデートすべきなんだろうけど、そういう発想に至れる日本人、特に会社員・公務員といった企業人は少数派だと思う。

「前あるものはそのままで良い」という思考から抜け出せない。

 

②疑似相関が評価されるかもしれない

例えば起きるのが早い人は高業績ということが分かったとして、早起きの人を評価し早起きを励行するのが正しいかは分からないということ。

 

高業績に貢献しているのが実は早く起きることではなく早起きした後の勉強時間かもしれない。そして、そのことに高業績者自身が気付いていない可能性がある。そうなれば本来業績に貢献している行動様式を拾い上げることができないかもしれない。

 

そう考えるとコンピテンシーという考えは陳腐化しても仕方ないと思う。