正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

あなたがいなければこの会社に入らなかったのに

こんばんは。

 

 

今日は職場で森高千里の話をしていた。話し相手はアラフィフのおばちゃん。性格は明るく笑顔が多い。そのうえよく喋るため周りから好かれている。

アラフィフといってもかなり綺麗で、昔は相当美しかったに違いない。今は一人の母親として子育てに邁進しているが、結婚するまでは自他共に認めるほどモテたらしい。

それにしても森高千里とは懐かしい話題だ。

 

初めに言っておくが、時代が時代ならば私は森高千里推しだったと思う。「私がオバサンになっても」どころか全然オバサンにならない森高千里は全然推せる(ちなみに旦那の江口洋介も全然老けない)。

 

当時のアイドルとファンの距離って今よりきっと遠くて、ガチ恋オタクとか病みオタクとかいなかったんじゃなかろうか。

 

ここまでは全然本題じゃないんだけど、このおばちゃんは森高千里の曲に思い入れがあるらしい。その話を今回はしたい。

 

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当時彼女(おばちゃんね)は大学生。彼女には想い人がいた。彼女も相手も別々に県外の大学に進学していたせいか、会うのはお互いが県内に戻ってきたときだけ。

お互いにぼんやりとした好意は持っていて、でも恋人にはなれなくて。今風に言うところの友達以上恋人未満という関係だった。

 

相手の男性は彼女にアプローチした時期もあったらしい。でも彼女は応えてあげられなかったのかな?その辺ははっきり教えてくれなかった。

 

時は流れ。

 

大学卒業が差し迫った中、彼女は知人に誘われて会社(現在も在籍している)を受けることにした。他の会社からも内定はもらっていたが、この会社も面白そうだと思ったらしい。

 

ただ、それだけではなかった。後押しとなったのはその男性が同じ会社を受けることを知ったことだ。

彼女のひそかな気持ちとして「彼が受けるなら受けてみようかな」というものがあった。だからこの会社を受けた、と聞いた時には驚いた。

 

彼女が知人に誘われてこの会社を受けたことは前から知っていた。だが、その裏にそんな気持ちがあったなんてことは今の今まで知らなかったからだ。まぁ自分から言いたい話ではないだろうけど。

 

試験や面接を無事突破し、二人とも内定をもらい同じ会社に入ることになったのだ。彼女は喜んだ。

悪くない流れでハッピーエンドに至ると思うじゃん?

 

入社後、彼女は彼にアプローチしようとした。

でもね、時すでに遅し。彼は大学で恋人を作っていた。そして、入社後間もなくその相手と結婚した。

 

すれ違いだった。もし、彼女が彼の気持ちにもっと早く応えていたら、あるいは彼女がもっと……。

「お互い好意を持っていてもタイミングが合わないだけで上手く行かないこともある」なーんてことは頭では分かっていても、エピソードとして聞くと切なくて胸がきゅっと締め付けられる。誰が悪いというわけでもないのに。

 

彼女は月に一度、「合コンで~~~」、「料理教室で~~~」、「友達と行ったキャンプで~~~」と私に過去のモテ自慢をしてくるのだが、うまくいかなかった話をされたのは初めてだ。それだけに、初めて彼女の弱いところを見せられのは戸惑った。

 

彼は森高千里が好きだった。森高千里の曲だったり話を聞くとこのエピソードを思い出してしまうらしい。

彼が当時森高千里を好きだったから、彼女も聞くようになった。それ故に森高千里が過去の記憶を呼び覚ます。共感覚だろう。

 

二人は今では別の家庭を持つ。会社で会っても普通に接しているらしい。もう、お互い大人なのだから……。

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今まで私は何度も無神経に彼女の前で森高千里の話をしてきた。悪気がないのは分かっていても、その度彼女は胸に引っかかるものがあったのかもしれない。きっと彼女の中では当時の気持ちはほとんど昇華しているんだろうけど、幾程残っていただろうか。

 

なんで今回彼女はこのことを話してくれたのだろうか。きっと私と二人きりだったからというのもある。それだけじゃなくて多分、零れ落ちちゃったんだろうな。

今度からは森高千里の話はしないでおこう。