正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

講師をやるときに必要なのは準備と丈夫なメンタル

こんばんは。

 

昨日はある小売店で開かれた研修会の講師をしていた。研修会は合計1時間で、担当時間は半分の30分くらい。非常に疲れた。今回は初めての講師経験から感じたことについて話したい。

なぜ講師をやることになったのか

話は昨年末に戻ることになってしまうが、簡単に言うとその店の店長から頼まれたのを断り切れなかったのだ。

 

店長「経営改善につながるような内容でお願いします」

 

き、きっついなー。あまりに内容がざっくりしすぎだ。

とはいえ、当時は全然仕事に余裕があったので「まぁいいか」と引き受けてしまった。しかし、1月中旬くらいから仕事が増えて後悔することとなる。

 

研修前日

話は研修前日の2月4日まで進む。この段階で研修用資料が出来ていない。

 

ウッソだろお前。

 

弁解ではないが、忘れていたわけではない。なんならずっと頭の片隅にあったのだが、如何せん手をつける時間がなかったのだ。

そしてこの2月4日も外回りで忙しかった。日中は時間が全く取れないため、仕事が終わったあとに資料を作り始めることになった。

 

幸い、そんな中でも日中にその小売店に寄ることができたので、関連する資料を提供してもらった。

 

……仕事が終わった後にまた頑張らなくてはいけない。これは普段怠け者である私にとっては辛いことだ。どうしていつも過去の自分は現在の私よりアホなんだろうか。見方を変えれば時とともに進歩しているからそう感じるのかもしれない。いや、それはないな…。

 

ターゲット・テーマ・表現方法

 

ターゲット

研修をやる際に大事なのはターゲットを明確にすることだ。そのターゲットに合わせた内容、表現をしていかなければならないからだ。

今回のターゲットは店の運営者並びに従業員とそのお店に出荷する人たちだ。平均年齢は70歳(!)くらいになる。組織内での若返りが全く進んでいないのは稀有だ。

 

テーマ

研修について考える周辺材料として、実はこのお店は年々売上が下がっていた。

 

それに伴い利益も目減りしていたのだが、関係者はそれを問題として認識していない、という問題があった。全員がある意味他人事のように考えていたのだ。それこそ「自分のせいではない」とでも言いたげに。

 

そして売上の減少を理由に営業時間を縮めようとしていた。店長は売上が立たないように見えるから営業時間を減らそうと考えていたのだ。

 

そして、基本的な店の機能について、同業から大きく突き放されているという最大の問題があった。品揃えが少ない、店員の接客が良くないなど基本的な部分で劣っているため、差別化がどうのこうのと言えるレベルではなかった。

 

それら問題から研修の目標を私なりに考えた。

 

①関係者の当事者意識を醸成させること

②各営業時間で限界利益を出せているかを示して判断の材料とすること

③他店との比較により自分たちの店のレベルを認識してもらうこと

 

 

表現方法

まず研修用資料の字は大きくすること、横文字を使わないこと、ゆっくり話すことはマスト。なぜならば相手は70歳を超しているからだ。そして聞く人の多くは出荷している人なので、その人達目線の話し方をしなければならない。

その人たちの性格などを考慮すると、あまり理屈の色が強いと受け入れられない可能性があった。そのため①については精神論、③については他店の写真(撮影と仕事での利用は許可を得た)を使って示すことにした。画像は直感的に伝えられて良いよね。

 

まぁ、偉そうなことを言っても前日に悪あがきしている人間の言うことである。

 

資料作成

ターゲットと伝えることは決まった。あとは資料を作るだけだ。これが一番大変なわけだが。

 

特に気を使ったのが②を示すために各営業時間帯での限界利益を算出する計算だ。計算自体はExcelを使ったのだが「計算式合ってるよね?合ってないかな?」という不安がなかなかぬぐえなかった。

難点としては客単価をどの時間帯でも一定として計算したことだが、お店で時間ごとの売上データがない(!)のだから仕方ない。客数はあるのにね。

 

調べてみた結果、営業時間1時間あたり限界利益が出ない時間帯はなかった。つまり、代替案がなければ営業時間を縮めず、現行のまま続けるのがベタということだ。

ちなみにこれは客単価を半分にしても成り立つのでまぁ信用して良いと思う。

 

固定費まで賄えない時間帯は多いんだけど。

 

そんなこんなで発表原稿まで作り、FIX。

 

翌日2月5日。職場の同僚に中身を見てもらい、文字のサイズや発言内容などをチェックしてもらった。資料を印刷して研修に臨んだ。

 

研修本番

研修会での準備。持ってきた原稿が最終版と異なることに気付き、かなり慌てた。やはり余裕をもって準備するべきだよなぁ。資料は人数分+α刷ってきたし大丈夫。

会場には平均70代の方々が談笑していた。自分は果たして初の講師を上手く終えられるのだろうか。

 

「それではよろしくお願いします。」

 

私は淡々と話し始めた。結構な人数を前に話しているが、不思議と緊張していないと思っていた。だが、話し始めて1分もしないうちに自信がなくなってくる。

 

レスポンスがあまりない……。

 

逆に聴衆の立場だったら大きくレスポンスしないのが普通だったりするけど、話している側は不安になっちゃうな。自分が次に聞く側に立つときはちゃんとレスポンスしよう。

 

お年寄りには理屈よりもなじむかと思っていた精神論もなかなか響かない。ぐぬぬ……。

 

しかし、営業時間ごとの限界利益を一覧表にしたものは食いつきが良かった。皆の視線が手持ちの資料だったりスクリーンに集まっているのが分かった。これは意外だったけどちょっと嬉しかった。前日に頑張ったわけだからね。

 

他店と比較するパートでは写真を使ったが、やはり写真はテキストに比べて情報量が多いようで、こちらにも注目は集まっていた。話も聞いてくれたように思う。

 

反省

話し方として、目線をちゃんと聴衆に向けられたことは良かった。目線とは相手へのプレゼントなのだ。

悪い所を上げると、抑揚のない話し方だった。大事なところもそうでないところも平坦に話したため聴いている側からすればどこがキーポイントか分からなかったかもしれない。

そして、相手の理解度を測れていなかった。「相手のために」という気持ちが足りていなかった。

 

正直に言うと、この研修を「こなす」という気持ちが強くなっていたと思う。そう思ってしまったのはきっと準備に余裕がなかったからだろう。

 

第一目標とすべきなのは完成することではなくて、相手に理解してもらうことなのだ。それが足りていなかった。そしてその要因は準備に余裕がなかったことだ。

 

次やるときは準備期間をしっかり取りたいし、話しているときに動揺しないメンタルを身につけなくてはならない。

って思ったけど講師やることなんてもうそうそうないだろうなー。