正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

Go to キャンペーンって麻薬なんじゃない?

こんばんは。

 

最近「安さ」という購買理由の地位が向上したように思う。この記事を読んでいる人は物を買うときにその商品のどのような要素を重視するだろうか。冒頭で挙げた安さ以外にも、機能性、ブランド、使っている自分に対するイメージ等、色々ある。

 

その商品を買う理由の数は多い方が実際の購買につながりやすい。もちろん理由が一つだけでも買うことはあるのだが、基本的に人は「安い」という理由だけでは物は買わない。

例えば「機能性が高いうえに安い」から何かしらの商品を買うことはあっても、「安い」というだけで買うことは普通ないのだ。

 

あくまで安さというのは副次的な購買理由である。しかし、そんな「安さ」という購買理由の地位が向上し、よもや「安さ」を主の理由として購買している人が増えたと思う。

 

私が今回言いたいのは、消費者が少しずつアホになっているのではないかということだ。

最近のPayPayの還元キャンペーンやGo to キャンペーンに対する人々の反応を見てそう感じた。還元があるから、安いから行くという人が本当に多い。もっと言うとめちゃくちゃ安いときにしか買わない人が多くなってきた。そして買うときの枕詞は決まって「安いから」「せっかくだから割引を使わなくちゃ」。

ちきりんさんの↓のツイートが響く。

 

 

「安さ」が主になることの問題~消費者側~

「安さ」を重視するのはある種コスパ主義であり、賢さを示すものだと思うが、「得したい」「損したくない」という気持ちがあまりにも強い場合、それは賢さからは対極のものになってしまう。パフォーマンスを捨て、コストのみを見ている状態。

 

コストばかり気にしてパフォーマンスの絶対量が落ちてしまっては元も子もない。コスト(今回は価格)は数字で示されるため簡単に判別できるが、パフォーマンスを見る目が養われなくなるのではないか。また、キャンペーンが終わって通常価格に戻ったとしても、その価格で買うのを損に感じてしまうかもしれない。

これは果たして消費者にとって幸せなのだろうか。

 

私は今回のGo toキャンペーン(トラベルとかイートとかね)で「お得だから」とか「安いから」といった理由で無駄に行く気はない。もともと行きたかった場所に行けるなら使おうというスタンスでいきたい。

 

「安さ」が主になることの問題~事業者側~

さて、消費者が「安さ」を理由に購買することの問題がより大きいのは事業者だと思う。

私は今回のGo toキャンペーンが必ずしも事業者の助けになるとは限らないと考えている。事業者側は上手く扱わないと痛い目に合うのではないか。

 

このキャンペーンで寄ってくる層というのは例えば「安いから○○ホテルに行ってみよう」と思っている人たち。その大体が通常の価格設定ではやってこない、事業者がもともと想定していたターゲット層から外れた人たちなのだ。こういう客は安いから来ているため、およそリピーターにはならない。そしてそういう人たちが枠を取っているために、本来のターゲット層を招き入れる余裕がない。

 

キャンペーンが終わったらどうなるか考えると、

キャンペーン期間中は非ターゲット層からの売り上げがあるが、期間後は本来得られるはずだったターゲット層からの売り上げが見込めなくなるかもしれない。そして、非ターゲット層は期間後に来ることはないので売り上げがしぼんでオワオワリ。なーんて未来もありうる。

 

事業者によってはキャンペーンという下駄をはかせてもらっていたときの気持ちよさが忘れられず、「またキャンペーンがあればいいのに……」などと思ってしまい改善を怠る。

 

経営にプラスになるとは限らないけど頑張らなくてもお客さんは寄ってくるし、キャンペーンがあるときの気持ちよさったら他にない。そういう意味で麻薬だと思う。こういうキャンペーンを使えば使うほど、消費者の感覚は安さを当然に求めてしまう⇒事業者は本来のターゲット層を逃しつつも売り上げは立つという状態が続く。その果てにはもう通常通りの営業ではどうにもならなくなっているかもしれない。

 

もっとも、多くが想像であり、そうなる保障はないのだが、補助金で下駄をはかせてもらっているということを自覚しておかないと、キャンペーン終了後に自分の事業や業界がどうなるかを考えて行動しないと「安さ」に振り回されて倒産の先延ばしにもなりかねない。

 

例によってオチはない。