正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

HIV検査を受けてきた話

こんばんは。

 

今日は午前中に休暇を取って保健所に行ってきた。心の健康の相談ではなく体の健康相談だ。

 

私は1週間前にHIV検査を同じ場所で受けてきた。その結果を教えてもらうためだ。

 

 

初検査、初保健所

話は12月にまでさかのぼる。

12月2日、エイズデーということで各地の保健所では検査が大々的に行われていた。と言っても知らない方も多いと思う。私も最近まで知らなかった。

www.mhlw.go.jp

だが、いい機会だと思った。今までの人生で性病を気にしたことがなかった、と言えばうそになる。別に危ない橋を渡った経験はないが、無自覚に感染しているかもしれない。そんな今までの根拠のない不安をかき消したいという気持ちがあった。私は突き動かされるように車を保健所へと走らせた。

 

その日は夜間も受付していると聞いていたため、仕事終わりに向かった。

HIV検査には2種類あって、①通常検査②迅速検査がある。

このエイズデーで調べられるのが①のみ。何が違うかというと結果が出るまでの時間と精度だ。②は早いうち(その日中)に検査結果が分かる。ただ、②は陰性なのに陽性判定が出てしまうことが稀にあるらしい。

今回の夜間の検査では①通常検査しかできない。

 

保健所に入ると夜でも電気はつき、働いている人たちが見えた。検査はそう何人もいらないはずなので、エイズデーの検査以外の人も残業していることが分かる。

働き方改革~~~。

 

玄関には案内板があり、それに従って進むと一つの部屋に辿り着いた。と書くと仰々しいが、玄関のすぐ近くである。ここが検査室となる。

扉は閉められており、電気がついていたが人がいる気配はなかった。扉をよく見るとファミレスによくある呼び鈴が置いてあった。注文するときに押すあれね。

 

「こちらを押して部屋の前の椅子に座ってお待ちください」

という表示に従って押してから長椅子に腰かけた。やはり冬。尻が冷たい。

 

少しすると50代くらいの女性が白衣を着ながらやってきた。焦りすぎでしょう。結構遅めの時間(受付終了ギリギリ)に来たんだけど、もしかして今日は誰も来ていなかったのかな。

 

彼女に促され部屋に入った。やはり中には誰もいない。部屋には事務用のデスク、イス、病院で採血するときに使う台、そして数々の啓発ポスターがあった。どうやら暖房は効いていたようで、室内は寒くなかった。

 

椅子に腰かけて、まずはアンケート?を書く。なぜ検査を受けるのか、過去に検査を受けたことはあるか、その原因となる性行為、年代・性別……。そして最後に謎クイズ

エイズについての知識を試され、全問正解した。このアンケートは自治体によって中身が異なるのだろうか??

ちなみに、当然名前までは聞かれない。

 

保健師?「今日はなぜ来たの?」

 

書き終わって提出すると問診が始まった。この女性が保健師で合っているか分からないが、保健師として進める。

 

私「気になる性行為があって……」

保健師「それっていつ?」

私「1か月前ですね……」

保健師「それじゃまだウィンドウ期ね。今から検査しても正しい結果にならないけど……」

私「お願いします」

 

私も検査を受けるのが早すぎることは知っていた。しかし、受けたい、不安を和らげたいという気持ちがあった。実際、全く検査の意味がないわけではないし、この先保健所に来るタイミングがあるのかも分からなかった(まぁ実際には来たわけだが)。

 

保健師「そう、でもせっかく勇気を出して来てくれたんだものね。やりましょうか。」

我々は採血用の机へと移動した。HIV検査は血液中の抗体の存在を確認するため、採血する必要がある。

 

まぁここで私としてはあるあるな出来事なのだが、採血できない。

どうも私の腕は血管が見えにくいようで、健康診断のときなんかは何回も注射器を指される。今回も例によってブスブスと右腕、左腕を刺された。

私としてはあるあるなので気にしてはいないが、相手の保健師さんはなかなか採血できないことをかなり気にしたようだ。

ちなみにそこまでデブではない。デブではないと思っている。デブじゃないよね???

 

保健師「ごめんね、ごめんね。痛いよね。」

そう言われながら何度も刺されているとさすがに痛みを感じ始める。「痛いの痛いのとんでけー」なんてまじないがあるけど、これはそれの逆か。

なんとか採血を終えると保健師さんは笑顔になった。やり切ったと感じたのかもしれない。その笑顔が見れて良かった(?)

 

翌週の同じ曜日の夜に検査結果を受け取りに来る約束をした。その約束をしたときの保健師さんの表情は曇っていた。もし、この日に来たのが私だけだったとしたら、彼女はまた翌週、私だけのために夜に居残りをすることになる。

 

ちょっと気が引けたので、早く来ようと思った。

 

退室前に半券が渡された。コピー用紙より厚めの白い紙。ここに書かれている登録番号を突合して本人確認をするらしい。

また、啓蒙活動を兼ねているのだろうが、セーラームーンが書かれた厚紙にくるまれたコンドームをもらった。2つも。

 

翌週、私は再び保健所を訪ねた。

結果は陰性だった。しかし、感染していないと確定したわけではないので、もう2か月後に検査を再度受けることにした。

 

保健所、再び

それが今回の検査だ。先週の話になる。

さすがに保健所に来るのが3回目ともなると落ち着いている。

 

この日は通常の検査日で、HIVの他にも梅毒、クラミジア、肝炎が調べられる。無料なのでついでに調べてもらうことにした。

慣れた手つきで呼び鈴を押して長椅子に腰かけた。

今年の2月は暖かく、12月には冷たかった長椅子も暖かかった。

 

保健師「前も来たことあるわよね?」

なんとこの保健師さん、だいぶ前に来た私を覚えてくれていたようだ。やはり採血がうまく行かなかったからだろうか。あるいは検査に来る人自体が少ないということだろうか。日本でHIVは増えているのに検査が進まないとすれば、やっぱり啓蒙が必要なんだなぁ。

 

HIV、梅毒、肝炎は血液検査を行う。今度は1回刺すだけで採血出来たということで保健師さんも安心していた。なぜかこちらも嬉しい。

 

クラミジアについては尿検査。最後に尿をしてから1時間経過していないとちゃんとした結果が出せないらしい。

尿検査って何回やっても謎の恥ずかしさがあるんだけど、あれなんなんだろう。

でもトイレに容器の回収箱が置いてあって配慮されているなと感じた。

 

そして例によって半券を渡され、翌週(つまり今日)来ることになった。

 

結果発表

不思議と緊張はしなかった。保健師さん曰く、受診者が一番緊張するのは問診や採血のときらしい。確かに採血までしてしまえば結果発表まで待つことしかできないし、そうなのかもしれない。

 

彼女の口から淡々と4つの検査結果を順に語られた。わき目に見えた書類には複数人のハンコが押してあり、こういった検査結果が稟議されることを初めて知った。

 

結果は全部陰性(あるいはそれに近いもの)だった。それに近いもの、と濁した表現にしたのは肝炎なんかだとそれが判定の限界だからだ。

つまり4つとも問題なしとのこと。

 

安心したような気持ち、「やっぱり」という気持ち。

2回も検査していると慣れてしまったのかもしれない。保健師さんが言うように、不安と緊張のピークは一番最初だった。あの寒い12月の日。

 

感じたこと

もし不安になる人が居たら検査を受けてみたら良いと思う。不安にさらされ続けるよりも勇気を出せば払拭できる。もし何かあったら早く見つけられたということになる。

しかもどうせタダだし名前は出さなくていいし。

あと、自分の住む自治体じゃなくても良い(隣の市でもいい)から知り合いに会うリスクもやろうと思えば減らせる。運営って多分どこも都道府県単位でやってるんじゃないかな。

難点としては基本平日、しかも決まった曜日で隔週ってところが行きづらいかな。