正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

育毛剤、登板します

こんばんは。

 

そう、これはずっと前のことである。

私は美容院に通っている。どんな美容院かと言えば客層は若い男女が4:6くらいのベーシックな美容院である。いつも30~40代?の女性に髪を切ってもらっている。

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美容院でのルーティンはカット⇒マッサージ等⇒洗髪という流れである。マッサージ等は育毛に向けてである。最後に行った日ももれなくその流れだったのだが、カットの担当の方が何かぎこちない。怪しさを感じていたものの、特に気にせず進めていった。ぎこちなさはハサミには現れず、カットは無事終了した。

 

いつもと違うのはそこからだった。カットの担当とマッサージの担当(こっちは20代の女性で毎回違う人)は異なるのだが、その日はカットの担当の方から「私も見学させてください」と言われた。特に断る理由もなく、私は彼女に見られながら頭皮のマッサージを受けることとなった。

 

施術の際には倒れる椅子で横たわることになる。薬剤が目に入らないよう顔を白い布で覆われながら施術を受けた。

その様子を見られることって今までなかったんだけど、まるで病室で亡くなった人+遺体を丁寧に扱う看護師+看取る親族みたいな光景。こんな風に他人に看取られながら人生を全うする、そんな生き方は私にできるのだろうか?と余計なことまで考えてしまった。

 

施術中は何も見えないためできることもない。そこでカット担当の方になぜ今回見学しようと思ったのかと聞いてみた。

 

私「なんで今回見学してるんですか?」

カ「いつか私もやることがあるかもなーと思って勉強しようと」

 

とは言ってもこの美容院ではカット担当がマッサージの担当になることはない。不思議なものだ。ただ、勉強しているのは本当らしく、布越しに彼女の手が何かを書くように動いているのが見えた。

 

施術・洗髪が終わり、カットしていた台に戻りドライヤーをかける。

そこでカットの担当の方から静々と言われた。

 

カ「頭皮の様子、見てみない?」

 

私はカット時に感じた違和感の正体が分かった。彼女は私の頭の薄さを誰より間近で感じていたのだ。それがぎこちなさとして発露されていた。

まぁ頭皮を見るなら洗髪前だと思うが、そこには触れない。

 

私は心の準備をしていた。

 

もしも。

もしも自分が思っている以上に状態が悪かったら、その現実を受け入れられるだろうか?受け入れられる自信がない。

 

だって前来たときは「髪の毛少しずつ増えてきたね」って言ってくれたじゃん。その前も行ってくれたじゃん。全部嘘だったの?

 

なーんて逡巡している間にいつのまにかiPadとスコープが用意されていた。

 

「へぇ。今時そんなもので見れるんだ」と思った瞬間にはもう頭皮のジャングルにズームインしていた。いや、どんなクズ男でも「先っちょだけだから!」の一声くらいあるでしょ。

 

私の頭はもうジャングルと呼べるものではなくなっていた。特に頭頂部。このままでは焼け野原かもしれない。木々の本数が少なくなっているのは私が環境を乱したから。

 

どうあれ、厳しい現実を知ることができたのは良かった。

「細い毛を育てればあるいは……」とのことなので、とにかくマッサージ等の機会を増やすことにした。マッサージだけのチケットが6回綴りで割安で買えるらしく、それを買うことにした。お代は20,000円超。家で使う育毛剤付きとはいえ結構なお買い物である。

 

これから私は毎日この育毛剤を使うこととなる。というか使っている。

 

時は流れ今日、お店の前を通ると閉まっていた。

 

これがコロナウイルスの影響によるものかは分からない。だが、もしコロナウイルスの影響などではなかったとしたら……?という疑念が生まれた。ある意味筋が通るのである。

①カットの担当の方のぎこちなさ

②本来やることがないはずのマッサージの勉強

③育毛マッサージチケット販売への誘導

考えすぎかもしれないが、閉まっていることと関連付けるとまるで閉じる前にキャッシュを稼ぎに来たようにも見えてくる。

 

もちろん通りかかっただけで、臨時の休業なのかどうか定かではない。

コロナ明け、果たしてお店(と私の頭皮)はどうなっているのだろうか。

 

例によってオチはない。