正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

久しぶりに上司と客先を回った話~仕事の範囲は自分で決めるものではないかもしれない~

こんばんは。

 

先日、上司と客先を回る機会があった。私の仕事は厳密には営業ではないのだが、思いつく限りの職種で一番近いのが営業である。各員が自由に営業活動にいそしんでいる。

 

その日は上司が珍しく「俺の外回りについてこい」と言った。もしかして仕事で何かやらかしたのを車の中で説教されるのではないか(説教は人前でしないのが暗黙のルール)とビビり散らかしていたが、振り返るに、誘ったのはただの気まぐれだったと思う。今回は一緒に回って感じたことを記したい。

 

新人時代を思い出した

行きの車の中では私の大学時代の話だったり、お互いの過去を話し合っていた。出身が同じ大学だからか話はスムーズに進んだ。

「どこに住んでいた」「部活は何をやっていた」「地元に戻ってからはどうだ」

こんなやり取りは入って1年目にあったなぁと懐古した。

そうだ、昔はこんな風に上司の客先回りについていった。全然何も言えなくて、単なるカバン持ち。金魚の糞というと金魚に失礼かもしれない。

今では一人で客先に向かうことが多いので人と同じ車でどこかに出かけるというのが久しぶりだ。新人時代を思い出し、昔の至らなさに思いをはせた。

 

上司、お客さんの本音を引き出す

その日、上司はアポなしで客先へ向かった。言う間でもないが、基本はアポを取ってから伺う。上司の目的はおそらく客先にて何かをしよう、というよりも次回訪問時に客先に有効な提案ができるように情報収集しにいく感じだったのだと思う。

そんなことに時間を割いてくれる客先があるかという話だが、それはこちらから信頼関係を築くことができるか次第である。というかこの業界、関係づくりに割く時間が大きく、相手もそれを望んでいる節がある(めちゃくちゃ忙しい時期を除く)。アポなしでもまぁ許されるのだ。

 

そんなこんなで客先に到着した。

上司「どーもー、元気にやってますか?」

客先「おう!まぁ入れよ」

上司「今日は__」

 

そんな感じで雑談が始まった。この雑談という表現が似つかわしくない気がするので、イントロダクションと呼ぶことにする。このイントロダクションは本題を聞く気にさせるものでなければならない。今回の本題は「何か困りごとがあるか」。上司はその目的地に向かってイントロダクションを使っていたように思う。客先で扱っている商品、競合する商品、業界全体の動向、はたまた担当者の個人的な話まで……

その中で客先からは「そういえば……」と要望だったり困りごとが漏れだしてきたのだ。

 

昔新人の頃は上司が客先で話しているのを見て「上司のようによどみなく流れるように話せるようにならなきゃなぁ」と思っていたものだが、今は視点が変わっており、「イントロダクションを使ってどう本題にまで結びつけるか」その過程の大事さが分かるようになった。

 

上司の困りごとを引き出す能力は私なんて足元に及ばないものだった。というか、私に限らず恐らく職場の20~30代の人間にはできない。私のお客さんは果たして私に本音を見せているだろうか。

 

今の20~30代社員は本音を引き出せないし、知らんぷり

繰り返しになるが、今の20~30代は相手の本音を引き出すことはできていないと思っている。基本的には聞かれたことに対して答えるのみだからだ。聞かれたことへの返答は120点を目指すのだが、こちらからプッシュしていないのでお客さんが自覚している困りごとしか解決できない。

むしろ、偶然お客さんの潜在的な困りごとが分かったところでそれをスルーしてしまう。

最悪、直接の営業以外の作業仕事に精を出して自己満足の海に溺れてしまう。例えばひたすら基礎調査だけ繰り返して、かかった時間の分だけ「自分は仕事をしている」と思ってしまうタイプ。そうなってしまうと自分の仕事している感で満たされる。そうなるとお客さんが求めていることなんて視界に入らない。

最悪の場合、そんな状態で「自分は仕事ができる」と自己評価をし自分の殻に閉じこもる。

 

自分の満足感を燃料に仕事しちゃいけない。

 

職種にもよると思うのだが、基本的にはサラリーマンの仕事の範囲を決めるのは自分じゃない。上司だったりお客さんだったりするし、お客さんの場合はその範囲を示してくれることはない(潜在的な欲求は自覚できないため)。自分の仕事を定義するためにはお客さんと深く話して自分で見つける必要がある。

 

ここまで書いててブーメランすぎて泣きたくなる。

簡単に言うと逃げずにお客さんと向き合わないとダメってことなんだよな。それを上の世代はちゃんとやってきたってことなんだろう。

 

例によってオチはない。