正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

NHKの朝ドラ"ちむどんどん"が一周回って目が離せない件

こんばんは。

 

皆さんはNHKの朝ドラを見る派だろうか。現在放映されているちむどんどんという朝ドラが物議をかもしている。今回はそんなちむどんどんの今日の放送の感想を書きたい。

 

ドラマのあらすじとしては、沖縄出身の主人公:暢子が上京してイタリア料理店で料理修業、結婚、妊娠しつつも自身の飲食店を開業するというものである。

 

現在の状況としては暢子の開いた沖縄料理のお店が振るわず経営が難航。今回は暢子と、材料を卸している智(昔暢子を好きだった)がお店をどうするか悩んでいるシーンから始まった。

 

「このままでは矢作さんに給料が払えない」

矢作さんと言うのは従業員で、暢子の飲食店で料理人をつとめている。調理の仕事のみし、ホールでの接客はしない、給料の支払いが遅れたら(+不足があれば)即刻辞めるという条件のもと暢子のもとで働いている。彼には飲食店を経営していたものの、失敗してしまったという過去がある。

 

詳しいセリフは覚えていないのだが、ニュアンスで書いていく。

そもそも部外者であるはずの智が暢子とお店について悩んでいること自体がおかしくてたまらないのだが、休憩時間ということもあり、二人で悩むのを横目に矢作さんは「俺は昼めしにラーメン食べてくる」とお店を出ようとする。

 

それを見た智は「ちょっとはお店のことを心配したらどうですか」「矢作さんの料理に問題があるんじゃないですか」などと声をかけるのである。もともと上記の条件を示したうえでの雇用契約だったのにそんなことを言うのである。

 

矢作さんはそれら発言を受けつつも彼自身の失敗をもとに暢子に助言を与える。しかし、それを受け取った暢子は

「うちは、矢作さんとは違います!!」

と言い放ったのである。

 

私は普段このドラマを画面を通して見ていない(職場のテレビが視界に入らない席)ので耳で聴取しているのだが、この言葉には本当に驚かされた。

 

矢作さんは自分の失敗を踏まえつつ暢子に細かく助言してくれていたのだが、それをほぼ無視して開業、失敗しかけている暢子が言ったのである。恐らく、矢作さんは過去に失敗した……ということから出たセリフだと思われるが、普通の神経を持っていたら言えない言葉だと思う。

 

失敗した人間を相手に「私は、失敗したお前とは違う」と言い放つ朝ドラヒロインは香ばしすぎる。時代の風雲児である。NHKもついにこの領域まで来たか、これは炎上商法か、はたまた沖縄へのネガキャン(沖縄本土復帰50周年記念らしい)なのかよく分からない仕上がりだ。

 

正直に言うと暢子は経営者としてあまりに未熟であり、もし彼女が成功する形でドラマが終わったら、この世の報われない経営者たちは絶望して自ら命を絶ってしまうのではないか。そんな不安があるが、それくらいこのドラマは論理破綻している。暢子の経営者としての未熟さを全く改めないまま自己主張の強さだけで生きていけるなら、この世は我の強さで寿命が決まるだろう。

 

一つだけ言いたいのが、暢子のことを思ったアドバイス(しかも正論)をする矢作さんを悪者にするような演出だけは本当にやめてほしい。少なくとも部外者の智が矢作さんに対して文句言うのは違うし、言うべきは(責任を持つべきは)暢子だ。

 

暢子に抗う者は全て悪者となるこのドラマ。今までの朝ドラと毛色がおおきく異なり、むしろ最後まで見届けたくなってきた。

 

例によってオチはない。