正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

「新卒退職本4」の読書感想文

こんばんは。

 

読んでいただいているみなさん、今年もよろしくお願いします。

 

さて、昨日コミケに行ってきたわけだが、そこで買った同人誌の感想を書きたい。

 

dramadmara.hatenablog.com

その名前は新卒退職本4である。なぜこれを選んだかと言うと、最近周りに仕事辞める人が多かったからだ。周りというのは公私両方だ。友人もそうだし、業務で仕事を辞めたい人にカウンセリングすることもある。そういった人たちの発言、気持ちの裏側を知りたかった。思考停止で過去のもの含めてその場にあった3冊を買った。

 

これ、元旦に実家で読んでたんだけど、家族に見られたら18禁本並に変な勘違いをさせそうなので自室に籠って読んだ。

 

この本では8名がそれぞれの体験を中心に退職について寄稿している。

自分の今後やこれから退職する人へのアドバイスなど、締め方は書き手次第。当然ながら、中身はその人次第で、当時(あるいは執筆時点)の気持ちが熱く伝わってくる。

 

 

これを読む前には「なぜ仕事を辞める人は生活基盤(=収入源)を絶ってから相談に来るのだろう」と思っていた。私の業務上、仕事を辞めてから相談に来る人は全体の4割だと推定する。

しかし、全て読み終わってみると、少なくともここに寄稿している方々の場合、労働環境や人間関係自体が生活基盤(=メンタル等)を脅かしていた。生きていくためには収入だけでなくメンタルの安定も必要だという当たり前の事実を提示している。

また、雇われるということは自分の時間を会社に投資するのと同義だ。会社の在り方だって辞める理由になる。

挙げられているのがほぼ積極的な退職理由ではなかったことが、彼らのいた企業の負の部分、この本の闇を強調している。

 

他の業種、職種の状況が読み取れたのも面白かった。

私が今いるところでは入社直後に8×5=40時間の接遇中心の研修しかないが、ここで紹介されている事例では大抵数週間~数ヶ月単位の研修があり手厚いと感じた。その一方、私の職場では現場での指導教育は割りと手厚いため、本書で取り扱われているあまり指導してもらえない事例とは対照的だと感じた。

 

就職してからの壁は労働環境や人間関係だけでなくて自意識である可能性もある。そういった人は職場を変えただけでは解決できないかもしれない。読んでいて辛くなった。かくいう私も入って1~2年目は自意識との戦いで……(隙あらば自分語り)

 

家なり友達なり逃げ場あるいは価値観が異なる環境があれば助かるのかなと感じた。むしろそれがないと会社と自宅だけ。会社の価値観から逃れられずに潰れるか洗脳されるかしかない。

 

これは世の管理職の方々にも読んでもらいたい。なぜ社員が仕事を辞めるのかを知る必要がある。まぁそんなこと気にしない人はこの本を手に取らないかもしれないが。

私みたいに何も考えずに就職した人もいつかぶつかる壁かもしれないので、そのような人にも読んでもらいたい。

 

また、この本ではコスト管理にも関わる問題もこっそり顔を出している。どの仕事をどの人にどう携わらせるかを考えていない管理職が多いことを知った。コスト意識が低すぎる(勤め人の性だとも思う)。

 

とまぁ前書きにもあるように、社会的に見て新卒退職は一般的な行為ではなく、その裏側を吐露したことの価値は計り知れない。

 

ちなみに、最後のぺぐもさんの文章が面白く、それだけでも読む価値がある。

真剣な話なのに、面白い。表現力の賜物である。読んでいても笑っていいのか分からず不思議な表情で読み進めていた。本当に自室に籠って読んでて良かった。彼の描く文章から黒いカタルシスを感じ取ってもらいたい。

 

極力本の中身を引用しないようにしたつもりだ。

しばらくはコミケで買ってきた同人誌の感想文を書き続けるかもしれない。

 

twitter.com

Twitterもやっているのでよろしくお願いいたします。