正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

「大合格 参考書じゃなくオレに聞け!」 読書感想文

 こんばんは。

 

最近、中田敦彦さんのYouTubeチャンネルが話題になっている。

www.youtube.com

中田さんのチャンネルはお笑いを見ているような楽しさがある。

動画で一番勉強になるのが中田さんの話し方だ。撮影時に観客がいる、というのもあるが身振り手振り、声の抑揚で情景が想像しやすい。

 

ここで話された内容に興味を持ったら本格的に調べればいい、そんな感じでホットトピックに興味を持たせる入口的なポジションだ(と捉えている)。

 

さて、そんな中田さんの本を読んだのでその感想を書きたい。

タイトルは大合格。

受験を控える高校生に向けた本だ。大学の決め方、勉強の仕方、親との向き合い方、恋愛や部活との両立を中心に47のテーマに中田さんが答えている。

文章の作りがあたかもその場で一対一で話すような語り口となっている。読み手である高校生に合わせた感じ。

 

この本のテーマは「自分の意思で物事を決め、自分が決めたことには言い訳しないこと」だと思う。

 

3つ印象に残るものがあったので紹介したい。

 

質問19「勉強と休憩、オンとオフの気持ちの切り替えができません……。」

大まかにいうと、中田さんは勉強の合間に勉強することをオススメしている。

別に体を休ませる必要はなくて、大事なのは気分を切り替えること。それにより集中力が戻ってくる。

これを仕事に応用しようと思って、仕事が行き詰まったら別の仕事に取り組むようにしている。そしてそのための仕事を用意するようになった。

 

それが引き継ぎ書の作成である。

 

合間にやる仕事なので締め切りがない(あるいは遠い)もので、小さな時間でも少しずつできることであるべき。ともすれば引き継ぎ書くらいしか思いつかなかった。気分転換になった上に副次的な効果があった。

元々狙っていたわけではないが、合間に引き継ぎ書を作ることで、今抱えている課題が頭で整理されることがあった。まぁまぁアリだと思う。

 

質問29「担任の先生、親、予備校の講師、先輩の中で一番頼れる人は誰でしょうか?」

この質問が一番この本のテーマに即しているのかなと思う。

 

オレはそんなのゴメンだから、「自分の眼鏡にかなった意見だけ採用しよう」という上から目線を貫き通していた。そうやって人の意見を”いいとこどり”してできたのが、デビュー時によくやっていた「武勇伝」。

「大合格 参考書じゃなくオレに聞け!」129Pより引用。 

色んな人から意見を聞き、採用する意見は自分で選ぶ。

それが上手くいくためには自分の判断基準を持ち、他人任せにしないことが重要。これって中田さんが高校生に一番言いたかったことなんじゃないかと思う。

お笑い芸人になることを親に納得させたのも、武勇伝が出来たのも、他人任せにせず、自分基準で物事を判断していった結果だとすれば、他人任せにしないということそれ自体が中田さんの生きざまにも思える。

 

質問44「部活の部長になるよう言われました。どうしたら断れますか?」

私が中田さんの立場ならばどうやったら断ることができるかについて答えていただろうが、中田さんは一旦その気持ちは受け止めつつも、部長になることをオススメしている。

質問の言葉から分かる相手の欲しいものだけではなく、相手にとって必要だと思うことを聞かれていなくても伝えている。

こういうのって年齢を重ねていくうちに自然にできるようになるものなのだろうか。

dramadmara.hatenablog.com

 

最後に、この本のタイトルでもある大合格という言葉について触れたい。

~はじめに~で触れている部分を引用する。

 

目先の「合格」はもちろん、大事。

でも、人生は、「合格」だけがゴールじゃないよね。

学校にしろ、進路にしろ、就職にしろ、恋人や結婚相手にしろ、自分で考えて、決めて、納得することこそが、幸せな人生に欠かせないことなんだ。

常に大きな目標に向かって進んでいく。その姿勢こそが、まさに「大合格」なんだよ。

「大合格 参考書じゃなくオレに聞け!」5Pより引用。

 

質問を投げかけた高校生たちはきっと、自分の今目の前にある受験や恋愛、進路について悩んで悩んで悩んでいたと思うんだけど、そんなの大人になるとどうでもいいレベルに思えちゃうんだよね。だから大抵の大人は子供の抱えるこれら問題の重大さなんて分からなくなってしまう。

 

だからこそ、それら高校生の質問に対して大人が真摯に向き合って答えるというこの本の趣旨には価値がある。

 

諸々の問題を解決するために自分の意思で物事を決める力。

それがあればきっと子供たちもその後の人生で大合格できるのだろう。

ていうか、私も大合格したい。