正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

「転職の思考法」の読書感想文

こんばんは。

 

今回「転職の思考法」という本を読んだので感想文を書きたい。

なぜこの本を読んだかというと、元旦の記事で退職については分かったが、転職事情については知らないということに気付いたからである。

 

dramadmara.hatenablog.com

 

 

雑感

この本では「いつでも転職できる」というカードを持つことが個人の幸せ、会社の魅力につながるという考えのもと、読者の転職に対する考え方を変えようとしている。「いつでも転職できる」と思うこと、それを交渉のカードに使ってほしいということは著者の一番言いたいことだと思う。

社員が「いつでも転職できる」ということは、それに足る市場価値を持っているということで、そのような有能な社員が多い方が、会社は当然上手く回っていくわけだ。市場価値がなくて会社に留まるしかない人間を抱えるよりずっと健全だが、実際は逆で転職するような人は忠誠心がないとされがちだ。

 

日本では確かに、終身雇用がなくなりかけているのに、転職に関する話題は社内でタブーという不可思議な状況になっているよなーと思った。

 

もともと転職する気がないということもあるが、この本を読んで今すぐ転職という気にはならなかった。ただ、それでもいつでも転職できるように自分の市場価値を高めておく必要を感じた。そうすることで社内の人々とも対等に接することができるだろう。

 

仕事のライフサイクル

仕事は①ニッチ→②スター→③ルーティンワーク→④消滅というライフサイクルを繰り返して生まれては消える。この本で一番重要なことだと思う。自分の今の仕事が①~④のどの位置に立っているか把握して、③や④の場合は期限切れが近いので、他へと移ればいいのだ。これがポジショニング。

 

ちなみに、自分の仕事の価値を考えてみたのだが、①ニッチと③ルーティンワークが混在していた。

 

実際は普段している仕事に対してマーケットという考え方を持ち込んでいる人は少ないわけで、自分の仕事の終わりは自覚しにくいのが現状だと思う。

 

そもそも私たち個人のマーケットバリューとは何か。本書では技術資産、人的資産、業界の生産性が構成要素として挙げられている。特に、業界の生産性は業界ごとの差が激しいため、ほぼマーケットバリューを確定させるに近い影響力を持つ(私はそこまで考えずに就職した)。

だからこそ、技術資産や人的資産に秀でない人間は仕事のライフサイクルに沿ってこれから伸びる業界に身を置くべきだ。という論調だが、これまた考え方を改めさせられた。私は自分の能力を伸ばすことこそが価値を高めることだと思っていたが、それ以上に選ぶ業界も大事だという論点は頭に入れておくべきだ。

また、技術資産については年代ごとに求められるものが異なるという点が驚きである。私の中では専門性も経験も人脈も並行して求められるものだと解釈していたからだ。

 

ちなみに、私のいる業界は生産性が高い方ではなく、私個人の技術資産においても他社で使えるものが少なかった。それはすなわち自分の市場価値は低いということだ。だから、これから発展していく市場で役立つ技術を身につけたいと思う。プログラミングとか動画作成とかかな。

 

転職先の選び方

転職と題につくだけあって、転職エージェントの見分け方や会社の選び方も解説されていた。特に転職エージェントや転職エージェントに募集をかける企業の実態に触れていたのは、これから転職活動を行う人には目を通してもらいたい。転職エージェントに頼ったから万事解決というわけではないようだ。内容は割愛。

 

転職先とふさわしいかと会社としての良し悪しが異なるという点も勉強になった。転職するということは当然会社に中途で入るわけだが、中途採用がその会社で活躍(昇進)できるかどうかは分からないのだ。うちの職場に中途で入った先輩がいるけど、彼はその辺をしっかり理解して入ったのだろうか。多分うちの職場は新卒優位だと思う。管理職で中途の人って多分いない。

 

転職への決意

転職のカードを持たないということは逃げ場がなく、自社で生きていくしかないということ。言ってしまえば転職するほどの能力がないということで、本来そういった社員は会社からすればお荷物である。

 

その辺を端的に表しているのが以下のセリフだ。

「いいか。転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳に過ぎない。人間には居場所を選ぶ権利がある。転職は『善』なんだよ。個人にとっても、社会にとっても」

同書152Pより引用 

努力しない人間ほど他者の転職を認めず、会社を居場所としてそこに残るための仕事を行うようになる。これって職場でもひしひし感じていて、そういう人に対して高い給料が支払われ続けているのは今まで疑問だったけど、本書を読み進めていくうちに解決した。

 

実際に転職をする上で一番大きな課題は配偶者や家族への理解を求めることだと思う。私は家族を納得させられる自信はない。

もちろん最後の意思決定は転職者が行うべきだが、そのためには相手方を納得させる論理を積み重ね、相手方の戸惑いに共感し、そして最後には信じてもらう必要があると解説されている。

私が思うに、結局最後はその2人の関係性にもよるのかなと。どうしても転職者とそのパートナーでは転職に対する理解に差があるんだから、いかに「理解しきれていないけど、あなたを信じる」と思わせられるか、もっと言うと如何に普段から信頼されるかだと考える。やっぱ身内の人間関係って大事なのかな。

 

まあ私には今パートナーがいないので全く気にすることがないが。

 

心から納得のいく働き方については第4章に書かれているが、割愛。

 

冒頭で述べたようにいかに自分にマーケットバリューが低いかを思い知ったので、今伸びている動画市場へと乗り出したいと考えている。