正しい年の取り方

人生に迷うアラサー男が年相応になるまでの雑記

「10年で激変する!『公務員の未来』予想図」の読書感想文

こんばんは。

 

今回は「10年で激変する!『公務員の未来』予想図」という本を読んだので紹介したい。この本を手に取った理由は公務員は民間とどう違うのか、安定が謳われている公務員の将来が激変するとはどういうことなのか知りたかったからだ(ちょっぴり転職も加味している……のは秘密だ)。手に取る前は目次すら読んでいなかったから暗い内容かもしれない……とも思っていた。

 

 

公務員の仕事の多くはこれからAIやロボットに代替されて大きく削減される。さらに人口減少により(今までの)行政ニーズの低下、自治体の財政が衰退することが予想される。このような状況でどのような公務員が求められるかというのが本書のテーマ。

もはや公務員の終身雇用や安定した給料を確実視していない。この状況下では現状維持は間違いなく後退を意味する。

 

そうなれば、公務員というのは魅力的な職業ではなくなるのではないか?という疑問がわいてくるのだが、これは我ながら公務員に対して失礼な疑問。

ただ、ずっと前から公務員をやっているような人はある程度終身雇用や安定といったものを期待して公務員になった部分もあると思うので、それらが保証されない状況に対する覚悟はしておかねばならないだろう。

 

確かに本書で言うように公務員試験って特殊だから、就職活動は民間or公務員の2択になりがちで、それは即ち民間を受ける中で優秀な人材が公務員に流入する可能性は低いってこと。それに対して、もっと人の出入りを激しくすべきと主張されている。

さらに、公務員から民間、民間から公務員のような移動がもっと大々的に出来るように人材を育てる必要を説いている。その結果市民に対するサービスも良くなると。既存の仕事は減っていくんだから、今までのベテラン職員よりもドンドン新しい人が入ってきた方が良いよね。

 

dramadmara.hatenablog.com

 

 

公務員にはコストカットだけではなく、稼ぐ意識が必要というのもまさにその通りで、逆にそういう思想だから副業解禁が民間よりも遅れるのかもしれない。本書でも触れられるけど減点主義なんだよね。

 

 

ちゃんと稼ぐ=税収を大きくする つまり、地域の人を増やさないことには自治体が稼ぐなんてことは出来ない。自治体に求められるのは地域を盛り上げ、魅力を掘り出してあげること。そしてその主役は公務員ではなく、市民なのだ。

 

この本では市民=お客様ではなく、市民=一緒に地域を盛り上げる担い手として捉えている。この捉え方は唯一本書で目新しいと感じたものだ。

 

ぶっちゃけ他に書いてあることって公務員じゃなくても民間でもそうなんだよ。

仕事の多くはこれからAIやロボットに代替されるだろうし、専門性を身に着けることは必要。公務員、民間に限らず稼ぐ意識をもったサラリーマンは超絶少ない(コストカットすら意識していない人も多いと思う)。

 

でも、市民=一緒に地域を盛り上げる担い手だという捉え方は恐らく民間には出来ない。社会サービスは金銭のやり取りが直接的には目に見えないが、商売では見える。故に商売ではお客様を神様として扱う文化が強くなっている。

 

公務員はいつまでも市民をお客様だと思って仕事をしていてはいけない。枠から外れた仕事を作り出していく気概が必要なのではないか。

 

なんか他人事みたいな終わり方。