こんばんは。
今回はちょうどいいブスのススメという本を読んだので紹介したい。
人間って年齢を重ねるごとに自分を客観視するようになると思うんだけど、主観と客観のギャップに苦しんでいるような方に読んでもらいたい。
読んだ印象として、著者の山崎ケイさんは斜めにポジティブな方だなと思った。
本書の内容を超ざっくりまとめるなら山崎ケイさんがブスのちょうどいい振る舞いやライフスタイルを提案する本だ。
ちょうどいいブスとは
本書を読むうえでキーワードとなるのがタイトルにも含まれている「ちょうどいいブス」。
具体的な定義として記載されていなかったが、他者からの評価に自己評価をすり合わせることができるブスだと思う。
本来50点の女が70点ぶって生きていたらどんなことが起こるでしょう。当然こうなります。
「このブス調子こいてるなぁ」
そこでちょうどいいブスという生き方なんです。自己評価70点で実際には50点の女が、「私は45点の女なんですよ≒私ってちょうどいいブスなんです」とプレゼンする。
ちょうどいいブスのススメ10Pより引用
客観的認識より自分をほんのり小さく見せるのがちょうどいいブス戦略の基本構造。
これをうまく使うためには、この例で言えば正しく自分が50点であることを認識できることが大事だろう。判定テストが第1章にあるので興味がある方はぜひ試してみてほしい。
本書の流れ
章立てはまた別だけど、おおまかに
・ちょうどいい/よくないブスとは何か
・ブスの恋愛ダメ行動
・ブスの天敵
・ブスのライフスタイル
・ブスの恋愛テクニック
とブス、ブス、ブスと徹底的にブス目線である。
ブスの天敵とライフスタイルが特に印象的だったので部分的に取り上げたい。
ブスの天敵
本書ではブスの天敵として2種類の女性を挙げている。
それはアイドル風自虐ブスと相談女だ。
アイドル系自虐ブスは名前(?)にブスと入っているが、決してブスではない。謙遜して自分のことをブスだと言ってしまう女性(美人)。
結構いるよね。別に顔に限らないけど必要もないのに自虐に走ってしまう。
例え悪気がなかったとしても、ちょうどいいブスの取る戦略上、彼女らはショバ荒らしでしかない。
彼女らに対する策は同じグループに同伴しないこと、と前置きしたうえでそれでも同じ会に同席した場合は同じ自虐の土俵に乗らないことだと説明している。
彼女らは自虐の加減が下手なので自爆させればいいという寸法だ。確かに自虐のコントロールというかバランス感覚ってブスの方がありそう。それをわきまえていないと自虐に走りすぎてしまう。
あまり美人の取るべき戦略ではないのかもしれない。
相談女とは
”相談女”がどういう女なのかわからない人のために簡単にご説明すると、「恋愛相談をきっかけに、男性に近づく女性」のことを指します。
ちょうどいいブスのススメ78Pより引用
私は遭遇したことがない(威風堂々)(バリバリの非モテ)(出会いなし)
面白いのは上のアイドル系自虐ブスと違って女性の天敵と表現されているところで、美人もブスも関係ないということ。いやー怖い存在なんですね。
この相談女を道に反した存在と切り捨てるのが痛快だ。山崎さんは相談をもとに男性にアプローチしようとする相談女を①差別的②ルール違反という2つの観点から切っている。
私みたいに相談されたことのない男性がいることを考えると、やはり相談女は相手(男性)を選んでいる。
私の例は抜いてもらっていいんだけど、その選考理由って必ずしも「恋愛経験豊富で良い答えをくれそうだから」というわけではないと思う。他の意図はあるわけで。
差別的にやるのってどうなの?ほかの男性のコンプレックスを刺激しちゃわない?というのがひとつ。
そしてもう一つのルール違反。
あと相談女が言いがちなセリフとして「あーあ、○○君が私の彼氏だったらなあ」というのがありますが、これも卑怯なのでタブーです。相談する中で、こういう「誘い言葉」いうのって、なんかルール違反な気がするんですよ。
ちょうどいいブスのススメ80Pより引用。
この「なんかルール違反な気がする」っていうのがとても分かる表現で。
だって別の男性のことを相談しているはずなのに、なんで相談相手の男性が彼氏だったらなーなどと言えるのかって話。
相談相手の男性をモノにするためのネタとして、餌としてどこぞの男性が利用されている構図だ。それって誰が幸せになるんだ??
ただ、対策までは書かれていないし、実際対策は難しいと思うので道義に反するものだと主張していくしかないのかもしれない。
こういったことをある種男らしく言い放った姿勢には痺れた。
ブスのライフスタイル
ちょうどいいブスにとって一番大事な場は、戦場はどこか。
それはお酒の場である。
ちょうどいいブスはお酒の力を借りることでポテンシャルを最大限に生かせるからだ。
お酒の場の設定の段階から勝負は始まっていて、男性のよくする質問「何食べたい?」に対するちょうどいいブス流のベストアンサーを残している。
それがカテゴリーで答えるというものだ。
例えば「お肉が食べたい!」のように焼き鳥やステーキ、焼肉といった品目で答えると相場がおおよそ決まってしまう。そこでカテゴリーのみを指定することで、男性に自身の懐事情やお店の知識をもとに選択をゆだねることができる。
ていうかこれ普通に男性も覚えておくべきやり方なんじゃないかと思う。
また、どのような座席のタイプにも対応できるように靴選びだけではなく、ボトムも考えて選ぶべきだとしている。
男性は女性に気を使って靴脱ぐようなお店はあまり選ばないとは思うけど……。
まとめ
とまぁこんな感じでちょうどいいブス論やちょうどいい振る舞いについて書かれた本。
速く走るために必要なのは良い靴じゃなくてサイズの合った靴なんだなーと思った。
最後に。
ブスを自覚して辛くなる人もいるかもしれない。そんな方がこの本を読んでみたいと思えるような文章を紹介したい。
結局ブスとどう向き合っていくか、相手がどうこうではなく、自分自身の問題なんです
~中略~
だから私たちは「ブス」という現実と真正面から向き合っていくことで、魅力を作り上げることができるんです。
この作業って美人だったら必要ないことですけど、でも美人には体験できないとても重要なプロセスだったりします。私はこのプロセス、好きですね。
ちょうどいいブスのススメ102Pより引用、抜粋。
上の方で書いた斜めにポジティブというのはこういった「ブスだからこその楽しみがある」という、現実を受け止めつつも前に進む姿勢を表現したくて使った。
山崎さんの姿勢に元気の出る一冊。ぜひ読んでみてほしい。
例によってオチはない。